てぃーだブログ › ラッコルタ・イタリア料理工房 › エッセー(イタリア編)

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2013年05月17日

カルトッチョ(紙包み焼き)の思い出

前回のブログで
シチューマチのカルトッチョの話をUPしながら
イタリアでのレストラン探訪のひとコマを思い出しました。


           15年以上前の2月のことです。
           私のイタリア行きは、ほとんどの場合は一人旅です飛行機
           でもこの時は同行者が2名いました。
           池袋で開店しているドイツレストランのオーナー夫人と、そこの料理長。

           料理を本業とする彼らとの旅は面白く、得ることが沢山ありました。
           特に料理長のC氏は、ことのほか熱心で
           レストランに入るたび、
           自分達が注文した料理の材料や作り方は勿論
           珍しいことは全部聴いて欲しいと私に要求します。

お蔭様で私も一緒に大変勉強になりましたが、とてもとても大変でした汗
必要なことはなんとか言えても・・・今でもそうですが・・・それほどぺらぺらではありませんから。


     ♪ ヴェネツィア「リアルト橋」



     毎朝、この近くで魚市場が開かれます。



 
           ヴェネツィアのちょっと歴史がありそうなリストランテでのこと。
           メニューを決める時、前菜、パスタ、メインディッシュと進んだ時
           なんと魚料理の項目には魚の名前と値段しか書いてありません。
           さっそくカメリエーレ(=ボーイ)に聞きました。

 これどうやって調理するの?
 
 「網焼きとかカルトッチョとか・・・好きな魚と調理法を選んでください。カルトッチョというのは魚介を紙に包んでオーブンで焼く料理で・・美味しい!お勧め!です。中に包む魚介は氷の上に並べてあるから自分達で見て決められます。」

 と一気にまくし立てる彼。

 感じの良い青年だったので、私は自分達の旅行目的を話しました。
 同行の二人は東京のドイツレストランの夫人とシェフで、イタリア料理の勉強のための旅行であること。
 私は数年前フィレンツェのリストランテで修行した経験がある・・・ということを。

 聞いていたカメリエーレ氏
それは嬉しい!私の店を選ぶとはなんてラッキーなんだろう。ぜひ厨房を見てください。
 と案内されたのは店の奥の大きな厨房でした。
 私の通訳を聴いて大喜びの同行二人。

 厨房ではコックさんたちが客からの注文を調理中。
 忙しいところに珍入者がいてさぞ迷惑をかける・・・と思ったのは私たちの方で
 皆さん本当に陽気で親切です。
 作りかけの料理の説明や、厨房設備の自慢などなど・・・・・
 
 まあほどほどにして
 客席に戻り、改めてカルトッチョに入れる魚を決めてから食事が始まりました食事
 鮮魚づくしのメニューでワインも地元の微発泡のきりっとした白。

 気分もお腹も、ヴェネチア(ヴェニス)を充分に満喫した一日でした。
 残念ながら、このリストランテの写真はありません。



  


Posted by Viva Raccolta ! ! at 01:10Comments(0)エッセー(イタリア編)

2010年06月20日

イタリア人とサッカー

昨夜のサッカー 日本対オランダ戦 は本当に残念でした。
でも強豪相手に、よく戦いました。
次回以降の対戦に期待しましょう。





さてイタリア人はとりわけ「大のサッカー好き」
今日のブログは私がイタリアで出会った「思いでのエピソードを二つ」です。

その1
 季節は秋、高校時代からの友人2名と一緒にフィレンツェの「いつもの定宿」に到着した時のこと。
 駅からも近く、家族経営の小さな心地よいホテルです。
 玄関のドアを開けた所がカウンター。
 あれ?いつもなら、背が高く優しい目をしたご主人が座っているはず。
 誰もいません。
 
 食堂から何やらざわめきが聞こえてきます。
 勝手知ったホテルなので入り口から覗いてみました。
 中には20人ほどの人々が、テレビを囲んで「集中、緊張」状態です。
 とりあえず「Buon Giorno !!=ブオン ジョルノ!!」大声で叫びました。
 気づいてもらえません。2,3回叫んでやっとおじさん(ご主人)が振り向きました。
 「おお! 何てことだ。こんな大事な時に・・・」明らかに不機嫌です。

 それもそのはず。
 テレビでは、サッカー「イタリア対オランダ戦」PK戦真っ最中。
 宿敵のようです。
 合間をみてぶつぶつ言いながら急いで出てきたおじさん。
 「Che occasione brutto!!= ケ オッカジオーネ ブルット=なんて間の悪い奴だ!!」
 
部屋の鍵を私に押し付けて「いつもの部屋だよ。勝手に入って荷物置いて来い。」
 そういうと、大急ぎでテレビの前に戻ってしまいました。
 結果は、イタリアが勝ってよかったで~す。
 
その2 
 その日私は、ルッカ行きの定期長距離バスに乗っていました。
 ルッカにはオペラ「マダム・バタフライ」の作曲家として知られている
 プッチーニ(1858~1924)の生家があります。
 私としてはどうしても訪れたかった地です。








プッチーニ生家のプレートと
           愛用のピアノ




 さて、バスが発車するとどこからかラジオ放送が聞こえてきました。
 なんと、運転手席からです。
 仕事中にラジオを聞く・・なんて。
 ましてや乗客の命を与る立場の運転手がです。
 日本では考えられないですよね。
 極めて論理的で理屈っぽい民族なのに、テーゲーな部分も持ち合わせているのがイタリア人。
 夫に言わせると「規則というもの」の解釈が基本的に違うそうです。

 放送しているのはサッカー中継
 そのとき、後ろから足音が運転席に近づいて・・・・・
 上品な老婦人がぶつぶつ言いながら、ラジオに手を伸ばしました。
 ああやっぱり・・・良識のあるおばあちゃんが止めに来た・・・私は思いました。

 でもでも、次におばあちゃんが言った言葉は
 「Non posso sentire != ノン ポッソ センティーレ = 聞こえないじゃないの!」 
 更にボリュームアップして、周りの乗客も嬉しそう。
 バスは無事にルッカに到着しました。

 今日、23時からイタリア対ニュージーランド戦があります。
 先日のパラガイ戦は1:1で引き分けていますので、今日は何としてでも勝ちたいことでしょう。
 
 Viva ITALIA アップびっくり
  


Posted by Viva Raccolta ! ! at 15:22Comments(4)エッセー(イタリア編)

2010年02月14日

カーニヴァル(謝肉祭)

今、ヴェネツィアは
カーニヴァルの真っ最中です。
今年は2月6日~16日
終りの二日間、15日と16日は
特別に盛り上がることでしょう。

ヴェネツィアには道路がありません。
150をこえる運河が177の島々を巡り、運河にかかる橋は400におよびます。
この運河が道路の役目をしています。
運河に沿った道は細く、一人が通るのがやっとのところもあります。
逆S字形の大運河がヴェネツィアの北西から南東へ流れ、これが大通りの役目を果たします。






                           
              そんなわけで、
              この地のカーニヴァルにパレードは
              ありません・・・できません。

              三々五々、自由に仮装した人達が
              歩き回るのがここのスタイルです。
              そして、有名なサン・マルコ広場に
              集まります。

              写真は10年ほど前、
              長女と訪れた時のものです。
              雨模様だったので、盛り上がりが
              寂しかったのが残念でした。





 左小林幸子も真っ青?



































   左化粧屋台で
   顔にペインティングしてもらっている人です。

   仮面をかぶっている人達の中には
   カーニバルに参加したくて訪れた
   外国人が大勢いますびっくり!
  
   ヴェネツィア人は
   今ではあまり参加しないみたいです。

  


Posted by Viva Raccolta ! ! at 15:23Comments(0)エッセー(イタリア編)

2009年12月24日

PRESEPIO プレゼーピオ

キリスト生誕劇を
人形やいろいろな物を使って飾ったものを
プレゼーピオといいます。
本来は
「キリストが生まれた馬槽(まぶね)」のことです。






 12月に入ると、教会はもとより商店、
 人の集まる所、個人の自宅などに
 きれいに飾られた
 様々なプレゼーピオを
 見ることが出来ます。


  発音について : プレセーピオではないか・・・
             と思われる方がおいでと思いますが、
             イタリア語は本来、母音に挟まれたSは
             濁って発音します。
             ただし、イタリアでも地方によっては
             濁らないところもあります。





ここに乗せた写真はいずれも
商店のショーウィンドウに
飾られたものです。

「パスタ、パン、フォカッチャ」で飾られた素朴な物は、勿論、パン屋さんの店先です。


他に、教会の回廊に展示されていた作品のきれいな写真が、私のホームページに載っていますのでそちらをご覧いただければ嬉しいです。
   http://www.raccolta.info/ イタリアの話「第2話 クリスマス前のフィレンツェの街」  


Posted by Viva Raccolta ! ! at 12:21Comments(0)エッセー(イタリア編)

2009年12月24日

クリスマス・夜のイタリアの街

 クリスマス前になると
 イタリア中の街中の通りごとに
 いろいろな趣向のイルミネーションが
 飾られます。
 クリスマス
 一年でもっとも大切な宗教行事です。



 通りにも商店のウィンドウにも
 いたるところ
 静かな歓びが溢れていると感じました。

 この時期
 私はフィレンツェとパルマ以外には
 足を運びませんでしたので
 ローマやミラノなどの大都会の様子は
 見ていません。
 それほどの差はないのでは・・・と思います。















白い食器ばかりを売っている店の、クリスマスデコレーションです。
上品に洗練されたセンスはさすがと思います。
  


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2009年11月24日

イタリアの12月・・・その1・・・

1997年12月
私は夫と共に2週間ほどフィレンツェに滞在しました。
この時期は観光客もほとんど見当たりません。
人々の
クリスマスを迎える静かな喜びが
あちこちに溢れています。

何回も足を運んでよく知っていると思っていた街が
「新鮮にそして神聖」
表情を変えて私の目に訴えかけてきます。

日本のにわかクリスチャンの
派手なだけのクリスマス飾りとはかなり違います。

         今日から何回かに分けて写真をお目にかけましょう。
                    普通のカメラでしかも10年以上前なので
                            多少お見苦しい点はお許しください。



         フィレンツェ駅の大きなツリー 側らにいるのは我が夫




        お菓子屋さんのショーウィンドー
        パン(クッキー?)で作った大きなツリーが眼をひきました。
  




      可愛いぬいぐるみがたくさん
      大きな熊さんはどこのよい子の所にいったかな?
  


Posted by Viva Raccolta ! ! at 22:31Comments(2)エッセー(イタリア編)

2009年10月27日

ビスコッティー ディ プラート(カントゥッチーニ)

イタリアのお土産や物産展の時に
箱に入って
「カントゥッチ(カントゥッチーニ)」
の名前で売られているアーモンドクッキーを
ご存知の方も多いと思います。

このクッキーのルーツは
フィレンツェの衛星都市プラート(Prato)という町にあります。
1858年にアントニオ・マッテイという人が製造し
リカゾリ通り22番地で販売を開始した・・・
とかなり具体的な記録があるようです。
ビスコッティー ディ プラートが正式の名前です。



今日焼いたものは、私が何回目かにフィレンツェを訪れた時、師匠のピエロ・ジャンナッチーニ氏がご自宅にて、特別に私にだけ教えてくださったレシピです。

その時、師は、ボロボロの小さな分厚いノートを宝物のように取り出して、そこから材料の配合などをいちいち確認しながら教えてくださったのです。

後から奥様が「あのノートはね、彼が料理の勉強を始めたばかりの12,3才の頃に記録したものなのよ。私にも触らせないの。セツコは特別みたいよ」とこっそり教えてくださいました。

この2年後に、ピエロ師がまさか突然の脳溢血で天に召されることになろうとは思いもしないことでした。

といういきさつで、このレシピは生徒さんには伝授しないことにしています。
私の宝物です。
同じビスコッティでも、たくさんの一般的なレシピがありますので教室ではそちらを使います。

 












さて、ビスコッティとは bis(2回)+cotto(焼かれた)という意味。
文字通り、1回ナマコ型に焼いてから(写真を忘れました)
熱いうちに一片ずつに切り分け再度焼きます。
ビスケットの語源です。

カントゥッチ(カントゥッチーニ)は、チーズやパンのかけらの意。

イタリアではヴィン・サント(聖なるワイン)という甘口のお酒に添えたり、浸したりしていただきます。
  


Posted by Viva Raccolta ! ! at 01:28Comments(5)エッセー(イタリア編)

2009年10月15日

「CACO=カコ」って何?

晩秋のイタリア
市場にも果物屋さんにも「地場産、国内の別の地域産、輸入商品・・」など
豊富なフルーツが並びます。
日本との違いは?
形がそろっていないこと。
ほとんどが山積で売っていること。





ローマの友人は、始めて来日した時、東京の街を歩きながら
「どうして同じ大きさのリンゴばかり売っているのか?
なぜ野菜の形がそろっているのか?」と聞きました。

      私の言葉に限りがあることもあり、返事に詰まったことは確かです。
      その後、コンサートなどで何回も来日するうちに
      「ブラーバ!こんな見事な美味しいリンゴはイタリアでは買えない・・・びっくり    
      なんて言うようになりましたが。

              今は「訳あり品」とか言って(これも一種の売り文句と思いますが)
              不ぞろい品が多少出回るようになりましたが、何かがおかしいと思います。              
              訳ありってどうして?
              野菜も果物も一生懸命生きるために育ったはず。

さて、のっけに話が本題からそれました。
ある日、イタリアの果物屋の店先に何と「柿」が並べられているのを見つけました。
そして、そこにあった値段札には「CACO=カコ」と大きく書いてあります。
あれはてな
その隣に柔らかくなった同じ柿が2個づつトレーに入って・・・そこには「CACHI=カキ」
とあります。なあるほど。
    
    伊語は、語尾がO=オで終わる名詞は、複数になると語尾がI=イに変わるのがほとんど。
    イタリア人にとって「カキ」という音は絶対に2個以上であって、
    1個だと「カコ」になってしまったのねガ-ン 
    あ~あムカッ
    ちなみに伊語にはKはありません。カ=CA キ=CHI となります。
  


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2009年09月19日

シチリア・続き (パレルモのリストランテ二晩目)

明日のディナーはPM8:00・・・・
前日、すっかり仲良くなったリストランテ
「トラットリア・アル ブーコ」店主アントニオ氏と約束して・・・
1日が経ちました。
17日付けブログの続きです。

ブオーナ セーラ!! 今晩は!!
店に一歩入って驚きました。

10人近い人々が立ち上がって、口々に
「ブオーナ セーラ!! ブオーナ セーラ!!」握手の手が次々に。
「変わった日本人夫婦が来るから一緒に楽しもう」と集まったお店の親族の方達とそのお友達でした。

店主夫妻・長女夫妻・次女とボーイフレンド・友人ドメニコ氏夫妻・弁護士氏と総勢9名。
そもそも前日、なぜこの店に来たかといういきさつから・・・

夜のパレルモ。
私達はホテルで紹介された一軒のリストランテを探して歩いていた。
けれどなかなか見つからない。
そうした時、前方から1人の紳士が歩いてきた。
「センタ ペルファボーレ! ちょっとお訪ねします!」地図を見せてリストランテの場所を聞いた。
「そんなところより、値段も手頃でもっと美味しいレストランがあるよ。自分も行くところだから案内しよう。」が答え。
その紳士がドメニコ氏だった。

自由な個人旅行は、こうした予測もつかない素敵なことが起こるから楽しい。

ともかくこの晩は「しゃべって・笑って・飲んで・食べて」時間が過ぎた。

後は、文章よりも写真にてご想像ください。
ヨーロッパのレストランはどこも暗いのと、カメラがデジカメでないので見にくいところはお許しください。
私は撮影専門で写っていません。

ドメニコ氏夫妻                              店主アントニオ氏と長女








アントニオ氏の次女と彼氏                
  






     
       アントニオ氏の次女と我が夫 → 
       美人と一緒だとこんなに嬉しそう
                 分かりやすい人





アントニオ氏夫人と弁護士氏(オペラ・セヴィリアの理髪師に登場する「ずる賢い音楽教師ドン・バジリオ」に容貌がそっくりで思い出すたびに楽しくなる。)

アントニオ氏長女夫妻(ご主人はピアニスト)            リストランテの名刺
 









シチリアは昔、既婚女性の着る衣服は黒、と決まっていました。
今でも地元の人は黒が多いと感じました。

帰りには地元産の美味しい赤ワインを1本、お土産にいただいてしまいました。
  


Posted by Viva Raccolta ! ! at 00:56Comments(0)エッセー(イタリア編)

2009年09月17日

シチリアで食べた「シラス」

先日、千葉の漁港の商店から「太白ちりめんシラス」が1kg送ってきました。
早速、小分けにして冷凍庫に。
食べる分だけその都度解凍して「シラスかけご飯」でいただくのが私のお気に入り。



でも本当は、生シラスが最高なんですが・・・

以下は2004年春に、夫と2週間シチリアを旅した時の話です。


ところで、生シラスなんて食べるのは日本人だけか・・・と思っていたら、シチリアではこの生シラスを「皿にドロリと乗せ、最高のEX.V.オリーブオイル、枝からもぎたてのレモン、塩、胡椒をかけて」いただくということを知りましたびっくり!

パレルモのリストランテでのこと。
「さっき漁港に上がったばかりで鮮度抜群だよ~」得意そうにカメリエーレ(給仕)がレモンと生シラスだけ乗せた皿を運んできました。

辛口の白ワインがいくらでも進んでしまいます。(美味しくて、写真を撮るのを忘れましたガ-ン

生魚を食べるのは日本人に限ってはいません。
もっとも、ローマや北イタリアの人達は「私は食べない。とんでもない!」と言う人が多いとは思いますが。

そして、これも美味しいよ! といって料理長自らテーブルに運んできたのが次の写真です。

                「Frittata di bianchetti シラスの揚げ物」です。





この日、私がイタリア料理を勉強していることを聞いてすっかり気を良くしたご主人。

「これも食べてみろ。こっちも味見だ。どうだ旨いだろう・・・」と言って、
頼んでもいない料理を(他の客が注文した料理の一部を)次々に運んでくれて・・・嬉しいやら苦しいやら。

小エビとセロリのクリーム煮

とうとう次の日のディナーの予約もすることに・・・。

この先の事の顛末は次回のブログに回しましょう。
  


Posted by Viva Raccolta ! ! at 17:15Comments(0)エッセー(イタリア編)

2009年07月14日

交通事故・イタリア編

今日夕方、友人の車で自宅近くのかねひでの前(国道329)を通りかかった時、
不自然な渋滞の先に見たのは、センターライン越しに斜めに停まったフロント全面がめちゃくちゃにつぶれたワゴン車。
事故の詳細は不明ながら、いつ見ても悲しく不安な風景です。

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

突如、私の意識は18年前のフィレンツェの街角に引き戻された。

勤めていたリストランテの休み時間(夜の部までの3時間ほど)を利用して、その日は
「ヴェッキオ宮殿 500人大広間」を訪問した。
観て来たばかりのミケランジェロ作の「勝利」の像に思いを馳せながら、ドゥオーモ広場を横切り大通りに向かう横道を歩いていた。




                 ミケランジェロ広場からフィレンツェ市街を望む
                  中央の丸屋根がドゥオーモ(花の大聖堂)


その時、大通りのかなたから「プーパー!! プーパー!!」とすさまじいサイレンが
近づいて来た。
イタリアの消防車やパトカーなどのサイレンは生易しい音ではない。
石造りの街にこだまして凄い!の一言。
何だろう?音はどんどん近づく。
その時、私の横を走ってきた乗用車がスピードも落とさず大通りに向かって突進した。

次の瞬間(目の前で)現場に向かう消防車の横腹に、乗用車が衝突した。
フロントが大破し上に持ち上がり、液体が流れ出した。

そして、運転していたシニョール(紳士)は・・・というと、何と自分でドアを開けて普通に出てきた。
ウソでしょ・・・そんな・・・辺りからは「ウワーオー」という安堵とも驚きともいえない声が上がった。

さて、火事の現場に向かう消防車の方はというと・・・さすが頑丈、かすり傷程度
事故処理のための消防士を1人だけ残して「プーパー!! プーパー!!」と行ってしまった。

野次馬の中心に居ることになった私。もし、爆発でもしたらどうする。
フィレンツェで、日本人中年女性が交通事故の巻き添えで重症・・・なんていう新聞記事が一瞬ちらついて、やっとの思いで人垣をかき分けて空いた場所まで移って胸をなでおろした・・と言った次第。

あまり思い出したくなかった話です。
今日の事故の運転手さんがご無事であることを祈ります。
  


Posted by Viva Raccolta ! ! at 23:12Comments(2)エッセー(イタリア編)

2009年06月23日

イタリアのお惣菜屋さん

イタリア・フィレンツェの中央市場
惣菜売り場
です。

この店オリジナルの惣菜が数々売られています。
「惣菜」といっても、我々のように「白いご飯に合わせて食べるおかず・・・」というような性質のものではありません。


ほとんどがアンティパスティ(前菜)で、ワインにあうものばかりです。


これらの前菜の何品かを盛った一皿に、プロシュート(生ハム)やサラミの皿・・・そしてワイン。
パスタ、メインディッシュ・・・と続けば立派なフルコースディナーです。
食べすぎが問題ではありますが。




ホテルの1人住まいでは、全部を買って試すわけにもいかず、私は行くたびに
「味見をさせてネ」と試食の常習犯でした。

顔なじみになったおにいさん(写真)は「いいよ!」と、気前よく、小さく切ったパンに乗っけて
「プレーゴ!(どうぞ)」

「美味しい!!」「あたり前だびっくり 僕のうちで作ったんだから びっくり!!」が決まり文句。

どんな時も自信満々なのはイタリア人気質です。  


Posted by Viva Raccolta ! ! at 23:50Comments(0)エッセー(イタリア編)

2009年06月20日

フィレンツェのソーセージ屋さん

フィレンツェの中央市場は、規模、内容ともに世界有数を誇ります。

私は、この市場から徒歩5分ほどのところにある「家族経営」の気持ちのよいホテルを定宿にしていました。

「ちょっと散歩してきます。」カウンターに座っているオーナーのおじいさんに言いました。
「ああ行っといで。セツコが行くのはどうせ市場だろ?美味しいもの食べてお出で。」
「あら、当たり~。どうして分かるかな~。」「いいから早く行け!」

たわいのない会話は毎度のこと。

今日はソーセージ売り場です。

カウンターに一つだけ、ドカンと大きなソーセージが置いてあるのを見つけました。
ここの店ではこれだけしか売っていません。

このような地方色の濃い市場では、売っているもののほとんどが「小さな家内工場」で作られた物です。
みな、秘伝の製法を守り、製品に絶大な誇りを持っています。





soppressata(ソップレッサータ)という、このお店の自家製ソーセージです。
豚の、主に首から上の肉で作ります。
横20cm、縦15cmほどでしょうか。

枚数を言って、その目方(グラム)で支払います。
版が大きいので、厚み5㎜で切ったとしても1枚の目方はかなりになります。

野菜、フルーツ、パンを買って帰り、おじいさんにお皿を借りて「ホテルの自室」で食事昼食となりました。
ソップレッサータはすばらしく美味しく「私1人でこんなの食べていいものだろうか・・・夫と娘達は今何食べてる・・」なんて殊勝な気持ちになりましたが、なにぶんにもボリュームがありすぎて・・・1回では食べきれませんでした。ゴメンナサイ


この写真は、全部
トスカーナの代表的なソーセージです。

イタリア全土、地方ごとに各種、それも優劣つけがたいほど美味しい肉の加工品があります。折にふれてご紹介していきたいと思います。


短期ビギナーコース (全6回)募集中・・・詳細は6月10日付ブログをご覧ください



  


Posted by Viva Raccolta ! ! at 01:40Comments(0)エッセー(イタリア編)

2009年06月17日

イタリアの肉屋さん

私は、過去15年間に20回余、イタリアを訪れた。

目的の80%は「食の探訪」である。
したがって、膨大に撮りためた写真は「食材、料理、リストランテ、厨房」が大半を占める。

ピースピースなんてやっている写真は一枚もない。
ほとんどが一人旅だったのであたりまえではあるが。

さて、ヨーロッパ人、中でもイタリア人は「肉を食べること」が極めて上手である。
さすが狩猟民族と言われるだけのことはある。

今日は、フィレンツェの「中央市場の肉売り場」からのアルバム(生肉編)です。
古い写真をスキャニングしたものなのでちょっと見にくいです。




中央の肉は豚の骨付きの背肉です。
地元産と書いてあります。







ザンポーネ=てびちです。
イタリアでは、中の骨と肉をくり抜いて、ミンチした肉、香草その他を詰め込みソーセージのように加工します。
年越しの縁起ものとして食べます。
詳細はクリスマス頃に、改めて記事にする予定です。






このまま買って帰って、オリーブオイルを塗って「オーブン」に入れればよいようにして売っています。

イタリアの主婦も、近頃は随分「楽ですね~」

立ててある値札は、まだユーロになる前の「リラ」の時代で、15000リラは1,200円位です。
kgと書いてあるので、1㌔あたりの値段でしょう。






  牛舌とその他臓物類






トリッパ=牛の胃袋

どこか、公設市場と似ている・・・と思いませんでしたか?

短期ビギナーコース (全6回)募集中・・・詳細は6月10日付ブログをご覧ください
  


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