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2013年05月17日

カルトッチョ(紙包み焼き)の思い出

前回のブログで
シチューマチのカルトッチョの話をUPしながら
イタリアでのレストラン探訪のひとコマを思い出しました。


           15年以上前の2月のことです。
           私のイタリア行きは、ほとんどの場合は一人旅です飛行機
           でもこの時は同行者が2名いました。
           池袋で開店しているドイツレストランのオーナー夫人と、そこの料理長。

           料理を本業とする彼らとの旅は面白く、得ることが沢山ありました。
           特に料理長のC氏は、ことのほか熱心で
           レストランに入るたび、
           自分達が注文した料理の材料や作り方は勿論
           珍しいことは全部聴いて欲しいと私に要求します。

お蔭様で私も一緒に大変勉強になりましたが、とてもとても大変でした汗
必要なことはなんとか言えても・・・今でもそうですが・・・それほどぺらぺらではありませんから。


     ♪ ヴェネツィア「リアルト橋」

カルトッチョ(紙包み焼き)の思い出


     毎朝、この近くで魚市場が開かれます。

カルトッチョ(紙包み焼き)の思い出


 
           ヴェネツィアのちょっと歴史がありそうなリストランテでのこと。
           メニューを決める時、前菜、パスタ、メインディッシュと進んだ時
           なんと魚料理の項目には魚の名前と値段しか書いてありません。
           さっそくカメリエーレ(=ボーイ)に聞きました。

 これどうやって調理するの?
 
 「網焼きとかカルトッチョとか・・・好きな魚と調理法を選んでください。カルトッチョというのは魚介を紙に包んでオーブンで焼く料理で・・美味しい!お勧め!です。中に包む魚介は氷の上に並べてあるから自分達で見て決められます。」

 と一気にまくし立てる彼。

 感じの良い青年だったので、私は自分達の旅行目的を話しました。
 同行の二人は東京のドイツレストランの夫人とシェフで、イタリア料理の勉強のための旅行であること。
 私は数年前フィレンツェのリストランテで修行した経験がある・・・ということを。

 聞いていたカメリエーレ氏
それは嬉しい!私の店を選ぶとはなんてラッキーなんだろう。ぜひ厨房を見てください。
 と案内されたのは店の奥の大きな厨房でした。
 私の通訳を聴いて大喜びの同行二人。

 厨房ではコックさんたちが客からの注文を調理中。
 忙しいところに珍入者がいてさぞ迷惑をかける・・・と思ったのは私たちの方で
 皆さん本当に陽気で親切です。
 作りかけの料理の説明や、厨房設備の自慢などなど・・・・・
 
 まあほどほどにして
 客席に戻り、改めてカルトッチョに入れる魚を決めてから食事が始まりました食事
 鮮魚づくしのメニューでワインも地元の微発泡のきりっとした白。

 気分もお腹も、ヴェネチア(ヴェニス)を充分に満喫した一日でした。
 残念ながら、このリストランテの写真はありません。


カルトッチョ(紙包み焼き)の思い出



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