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2012年06月10日

サルデーニャのチャンベッラ

チャンベッラ(複数はチャンベッレ)とは
広義では
大きさに関係なく
ドーナツのようなリング状のお菓子の総称です。
輪形のクッションとか幼児のおしゃぶりなども
同じ言い方をするようです。
どこか可愛らしい響きの言葉です。


   今日ここにお目にかけるチャンベッレは
   先月の研究科クラスで作った作品です。

サルデーニャのチャンベッラ


   50年近く前に出版された「地方別の伝統料理の書物」より私が翻訳して忠実に再現した物です。
   地中海の島、イタリア領サルデーニャ島の古いお菓子です。

   香料やリキュールも使いますが、主要な原料は小麦粉、卵、砂糖、ディルの種・・そして
   ラードです。
   そして
   ラードを大量に使うところが沖縄菓子チンスコウを思い出させます。

   ディルは、沖縄で親しまれているイーチョーバー(フェンネル)の親縁種なので香りも似ており
   沖縄の皆さんにとってはどこか懐かしい味がするのではないでしょうか。

   しかし、現在もサルデーニャにおいて作られているかどうかはまったく不明です。
   ラードは現代では流行らないかも・・・とも思いました。
   同じ書物の別の料理項目で「現在はラードの代わりにバターを使うのが普通」
   とあるのを読んだことがありますし。

ところがです・・・たった今、テレビでヨーロッパの絶景紀行を観ていたら、ドイツのローテンブルクでSchneeball (シュネーバル)という名物菓子が目にとびこんできました。アンダーギーよりもさらに大きな揚げ菓子ですが、これの味の決めてはラードで揚げることだそうです。揚げている現場も写していました。
仕上げは、砂糖やチョコなどでいろいろなコーティングがされているようです。
食べてみたいな~ でもかなりのカロリーは間違いなさそう。
食べながら街を歩いている現地の人達はみなさん立派な体格です。


自分でも何が言いたいかわからなくなってきましたが、世界は広く、私の知識はごく僅かぐすん・・・ということが分ったということですね。


♪ CIAMBELLE=チャンベッレ

サルデーニャのチャンベッラ



ラードの効果で生地が扱いやすく
粘土細工の乗りで楽しく作業できました。
固めでサクサクとした素朴なクッキーが焼きあがりました。
ディルの種が歯に当たってよい香りです。
けっこう食べ応えがあるのはやっぱりラード?


♪ ディルの種 

サルデーニャのチャンベッラサルデーニャのチャンベッラ










「ディル」という名前は古代ノルウェー語で「なだめる、穏やかにする」という意味の「dilla」で、紀元前4千年代には栽培されていたといわれています。古代ギリシャや古代ローマでも鎮静作用などの薬効があるとして珍重されていました。
種子には爽やかな香りと辛みがあり、香辛料としてピクルスと一緒に漬けたり、パンやクッキーに焼きこんだりして利用します。



♪ LE RICETTE REGIONALI ITALIANE
   =イタリアの全地方レシピ より


サルデーニャのチャンベッラ


   本の1073頁、2142番目のレシピですびっくり!






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Posted by Viva Raccolta ! ! at 22:07│Comments(0)教室情報
 
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